間違いは起こります。価格の誤り、返品、注文のキャンセル、後から合意した値引きなどです。請求書をいったん送った後は、請求書を編集して直すのは、ほとんどの場合、適切ではありません。代わりにクレジットノート(米国ではクレジットメモ、オーストラリアのGSTでは調整ノートと呼ばれます)を発行します。このガイドでは、必要になる場面、記載事項、税金と返金への影響を説明します。
クレジットノートとは?
クレジットノートは、売り手が発行する書類で、以前の請求書で支払うべき金額を減額または取り消すものです。実質的には、マイナスの請求書です。元の請求書を参照し、何を、なぜ減額するかを記載し、それに応じて税金を調整します。
| 請求書 | クレジットノート | |
|---|---|---|
| 効果 | 取引先があなたに支払う義務を負う | 取引先が支払う金額(またはあなたが返す金額)を減らす |
| 金額 | プラス | クレジット(貸方)として表示(多くはマイナスの値) |
| 参照先 | 見積書/発注書 | 元の請求書番号 |
| 税金 | VAT/GST/売上税/消費税を課す | 該当する税金を戻す |
| 番号付け | 請求書の番号体系 | クレジットノートの番号体系(認められる場合は請求書と同じ) |
日本の消費税の制度(インボイス制度)では、返品、値引き、割戻しなどで売上げに係る対価の返還等を行う場合に、売り手が「適格返還請求書」を交付する仕組みがあります(一定の少額の場合などに交付を要しないとされる例外もあります)。詳しい要件は国税庁の案内または税理士にご確認ください。
なぜ請求書を編集してはいけないのか?
請求書は、発行された時点で、あなたの会計記録、そして取引先の会計記録の一部になります。取引先はすでに入力していたり、承認していたり、そのVATを控除していたりするかもしれません。同じ番号で変更して再送すると、双方の帳簿が一致しなくなり、監査人には、こっそり改ざんされた請求書に見えます。VAT制度では、訂正は一般に、元の請求書を参照する書類で行うことが求められます。これがクレジットノートです。
**目安:**請求書をまだ誰にも送っていないなら、修正(または無効にして理由を記録)できます。いったん送った後は、クレジットノートで訂正しましょう。
クレジットノートを発行する場面
- **価格や数量の誤り:**多く請求していた。
- **返品:**お客様が一部または全部を返品した。
- **注文やサービスのキャンセル:**請求後に作業が行われなかった。
- **請求後の値引きや善意の対応:**価格を下げることに合意した。
- **破損した商品やサービスの問題:**補償として一部をクレジットにする。
- **取引先の情報の誤り:**たとえば、違う法人宛てに請求書を発行した。元の請求書を全額クレジットにして、正しい法人宛てに新しい請求書を発行する。
- **税の扱いの誤り:**たとえば、リバースチャージが適用されるべきなのにVATを請求した。
請求不足の場合は、通常、クレジットノートではなく、差額分の追加の請求書(国によってはデビットノート)を発行します。
クレジットノートの記載事項
- 表題:「クレジットノート」(または適宜「クレジットメモ」「調整ノート」)
- 固有のクレジットノート番号(例:
CN-2026-0004)。請求書番号のガイドをご覧ください - 発行日
- 自社の情報と税務上の番号、取引先の情報(元の請求書と同じ)
- 元の請求書への明確な参照(番号と日付)
- クレジットとする理由
- クレジットとする品名、数量、金額
- 税率と、クレジットとする税額
- クレジットの合計額
- 次の対応:返金、取引先のアカウントへのクレジット、または他の請求書との相殺
EUのVATルールでは、請求書を修正する書類はそれ自体が請求書として扱われ、元の請求書を具体的かつ明確に参照しなければなりません。英国、オーストラリア、その他のほとんどのVAT/GST制度にも、同様の要件があります。
例:請求過多に対する一部クレジット
元の請求書 INV-2026-0050(2026年10月3日):
| 品名・内容 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 商品撮影:半日セッション | 2 | ¥50,000 | ¥100,000 |
| 消費税10% | ¥10,000 | ||
| 合計 | ¥110,000 |
取引先が実際に予約したのは、半日2回ではなく、¥80,000の1日セッション1回でした。次のように発行します。
クレジットノート CN-2026-0004(2026年10月28日):2026年10月3日付 請求書 INV-2026-0050 について。理由:価格の訂正(半日セッション2回ではなく、¥80,000の1日セッション1回で合意)。
| 品名・内容 | 数量 | 単価 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 商品撮影料の訂正 | 1 | −¥20,000 | −¥20,000 |
| 消費税10% | −¥2,000 | ||
| クレジット合計 | −¥22,000 |
最終的に、取引先が支払う金額は¥88,000(¥80,000+消費税¥8,000)です。すでに¥110,000を支払っている場合は、¥22,000を返金するか、クレジットとして繰り越します。
例:全額の取消しと再発行
違う法人宛てに請求書を発行してしまった場合:
- CN-2026-0005で、INV-2026-0061を全額クレジット(全行、全税額)。理由:「宛先の法人の誤り」。
- 同じ明細で、正しい法人宛てにINV-2026-0066を発行する。
両方の書類が備考欄で互いを参照するので、読む人が経緯を追えます。
クレジットノートと返金
クレジットノートは会計書類で、返金は支払いです。両方がセットになることが多いものの、同じものではありません。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 取引先がまだ支払っていない | クレジットノートを発行し、取引先は減額後の金額を支払う |
| 取引先が支払済みで、返金を希望している | クレジットノートを発行したうえで返金する(返金の証拠を保管) |
| 取引先が支払済みで、また注文する予定 | 取引先が同意すれば、クレジットノートを発行し、アカウントにクレジットを保持する |
| 取引先に未払いの別の請求書がある | 合意があれば、クレジットノートを発行し、その請求書と相殺する |
返金を支払ったら、支払記録をクレジットノートとともに保管します。取引先が確認を必要とする場合は、返金額、日付、方法を記載した短い通知や書類を送ることもできます。支払いの確認書類については、請求書と領収書の違いをご覧ください。
税務への影響
- VAT/GST:クレジットノートは、発行した期間(または現地のルールが指定する時点)の売上税額を減らします。事業者の取引先は、控除した仕入税額を減らす必要があります。元の請求書と同じ税率を使用します。請求書でのVATの扱いをご覧ください。
- **日本の消費税:**対価の返還等(返品・値引き・割戻しなど)に係る消費税額は、一定の要件のもとで売上げに係る消費税額から控除される仕組みがあります。扱いの詳細は、国税庁の案内または税理士にご確認ください。
- **米国の売上税:**課税対象の販売を返金する場合、州のルールに従って、一般に返金した税額の分だけ納めるべき売上税を減らせます。米国の請求書における売上税をご覧ください。
- **電子請求書の国:**電子請求書が義務化されている国では、クレジットノートも、一般に同じ電子請求書システムで発行する必要があります。電子請求書とはをご覧ください。
- **期限:**元の請求書から、税務上の調整をいつまでに行えるかを限定している国もあります。
よくある間違い
- **元の請求書を削除したり、上書きしたりする。**元の請求書は保管し、クレジットノートを並べて置きましょう。
- 元の請求書番号を参照しない。
- 税抜金額だけクレジットにして、税金を忘れる。
- 元の請求書と異なる税率を使う。
- 理由なしでクレジットノートを発行する。
- **クレジットノートなしで返金する。**帳簿上、もうない収入が残ってしまいます。
簡単な手順
- 何を訂正する必要があるかを確認し、取引先と合意する。
- 元の請求書を参照し、理由を記載したクレジットノートを作成する。
- 正しい行と、対応する税金をクレジットにする。
- 元の請求書を受け取ったのと同じ担当者に送る。
- 合意どおりに、返金、クレジットとして保持、または相殺する。
- 必要に応じて、請求書作成ツールで、新しい番号の正しい請求書を発行する。
クレジットノートの要件と税務上の調整のルールは、国によって異なります。このガイドは一般的な情報であり、法律・税務上の助言ではありません。