物品が国境を越えるとき、商業インボイスは、税関当局が、何が出荷され、いくらの価値があり、どこで生産されたのかを確認するために使う書類です。関税と輸入税、貿易統計、輸出管理の基礎になります。記載の誤りは、貨物が止められたり、遅れたり、再査定されたりする最もよくある理由の1つです。このガイドでは、何を記載すべきかと、他の輸出書類との関係を解説します。
通関の要件は、国、品目、輸送手段によって異なり、時間とともに変わります。このガイドは一般的な情報であり、通関・法律・税務上の助言ではありません。規制対象の物品については、通関業者やフォワーダーにご相談ください。
商業インボイスと他の請求書の違い
| 書類 | 目的 | 時期 |
|---|---|---|
| プロフォーマ・インボイス | 買主が支払い、許可を取得し、信用状を開設できるようにする事前の請求書 | 出荷前 |
| 商業インボイス | 通関申告を裏づける書類。実際の販売条件 | 出荷時 |
| 税務上の(VAT)請求書 | 国内の会計・税務上の記録 | 供給時。商業インボイスと同じ書類の場合もある |
| 梱包明細書(パッキングリスト) | 各梱包の中身、重量、寸法 | 出荷時 |
多くの場合、商業インボイスは販売用の請求書も兼ねます。ただし、国内の請求書のルール(番号、ゼロ税率の輸出に関するVATの注記など)を満たしている必要があります。
記載する項目
| 項目 | 備考 |
|---|---|
| 表題「Commercial Invoice」、番号、日付 | 販売用の請求書を兼ねる場合は、通常の請求書番号を使う |
| 輸出者・売主 | 名称、住所、電話番号、税務上の番号。EU・英国ではEORI番号 |
| 輸入者・買主 | 名称、住所、連絡先、必要な場合は税務上・輸入者の番号 |
| 荷受人 | 買主と異なる場合(倉庫など) |
| インコタームズ®の規則と場所 | 例:「FCA Faenza, Incoterms® 2020」。輸送、保険、関税を誰が負担し、危険を負うかを定める |
| 品目の詳細な説明 | 素材、用途、型番など、平易で具体的な表現。単なる「部品」や「サンプル」は不可 |
| HSコード・関税番号 | 少なくとも6桁の統一システム(HS)コード。多くの国は8〜10桁を使う |
| 原産国 | 原産地規則に従い、物品が生産された国。出荷元の国ではない |
| 数量と単位 | 個数、kg、リットルなど |
| 単価と合計金額 | 物品の取引価格 |
| 通貨 | ISOコード(EUR、USDなど) |
| 運賃、保険料、その他の費用 | 該当する場合は別に表示 |
| 正味重量・総重量、梱包数 | 梱包明細書や輸送書類と一致していること |
| 支払条件 | 例:「50%前払い、50%は書類と引き換え」 |
| 輸出の理由 | 販売、サンプル、修理、返品、贈答 |
| 輸出許可・管理の参照 | 物品に必要な場合 |
| 宣誓と署名 | 例:「上記の情報が真実かつ正確であることを宣誓します」と、氏名、役職、日付 |
記入例
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 商業インボイス | CI-2026-0031 ・ 2026年11月3日 |
| 輸出者 | Ceramica Rossi S.r.l.、イタリア・ファエンツァ ・ VAT IT… ・ EORI IT… |
| 買主・荷受人 | Harbor Home Goods Inc.、米国オレゴン州ポートランド |
| インコタームズ | FCA ファエンツァ(Incoterms® 2020) |
| 原産国 | イタリア |
| 梱包 | パレット2枚 ・ 総重量640kg ・ 正味重量590kg |
| 品目 | HSコード | 数量 | 単価 | 合計 |
|---|---|---|---|---|
| 陶器(炻器)のディナープレート、27cm、手塗り釉薬 | 6912.00 | 400 | EUR 14.50 | EUR 5,800.00 |
| 陶器(炻器)のボウル、16cm、手塗り釉薬 | 6912.00 | 300 | EUR 11.00 | EUR 3,300.00 |
| 合計(EUR) | EUR 9,100.00 |
EUからの輸出 — VAT 0%(ゼロ税率の輸出。文言はイタリアのルールに従う)。輸出の理由:販売。支払い:50%の前払いを受領済み、残額は発送前。(イメージ例。識別番号は省略しています。)
重要な項目を正しく記載するために
HSコード
統一システム(HS)は、世界の税関で製品を6桁レベルで分類するもので、各国が自国の関税のために桁を追加します。正しいコードで、関税率と許可の要否が決まります。輸入国の関税ツールで調べるか、買主の通関業者に尋ねるか、重要な製品では事前教示を請求します。推測で決めたり、関税率が低いというだけでコードを選んだりしないでください。
価額
税関は、一般に物品を取引価格、つまり実際に支払った、または支払うべき価格(国によっては、国際運賃や保険料を含むかどうかなど、一定の費用で調整)で評価します。買主の関税を減らすために価額を過小に申告することは違法で、差押えや罰則の一般的な理由です。無償のサンプルは、現実的な価額と、「商業的価値なし — 通関目的のみ」と記載します。
インコタームズ
インコタームズ®の規則は、輸送の各区間を誰が手配し支払うか、誰が保険をかけるか、危険がどこで移転するかを関係者全員に示します。よく使われるのは、EXW、FCA、FOB(海上)、CIF(海上)、DAP、DDPです。請求書の規則が、契約書や見積書と一致するようにしてください。
原産国
原産国とは、物品が完全に生産された国、または最後に実質的な変更が加えられた国で、規則は技術的なものになる場合があります。貿易協定の優遇関税を適用するには、通常、別途、原産地の申告書や証明書が必要です。
一緒に送られる他の書類
- 梱包明細書:梱包ごとの中身、重量、寸法
- 輸送書類:船荷証券(海上)、航空運送状(航空)、CMR(陸送)
- 輸出申告:たとえば米国では、スケジュールB番号ごとに2,500ドルを超える貨物の大半、または許可が必要な貨物について、AESに電子輸出情報を提出する。EUでは、輸出申告を電子的に提出する
- 原産地証明書:買主、その税関、または貿易協定が求める場合
- 許可・認可:管理対象の物品(軍民両用品、化学品、食品、植物など)に必要
よくある間違い
- 曖昧な説明(「ギフト」「部品」「サンプル」)
- HSコードの欠落または誤り
- 支払記録と一致しない価額
- 梱包明細書や航空運送状と一致しない重量
- インコタームズの記載漏れ、または契約との不一致
- 通貨がない、またはどのドルか示さない「$」
- 輸入国が求める場合の署名漏れ
小規模な販売者と宅配便について
エクスプレス便で発送する場合、課税対象の貨物については、通常、商業インボイス(多くは事業者のポータルで作成)を求められます。同じルールが適用され、明確な説明、HSコード、原産国、価額、通貨が必要です。輸出の証拠として、控えを保管してください。VATのある国では、輸出の証明が、その販売のゼロ税率を裏づけます。日本の消費税での輸出免税の取扱いは、税務署や税理士にご確認ください。
請求書の内容は、請求書作成ツールで下書きできます。品目の説明にHSコードと原産国を、備考欄にインコタームズ、重量、宣誓を記載してください。買主が支払い前に書類を必要とする場合は、プロフォーマ・インボイスから始めます。輸出のVATについては、請求書のVATの扱い方をご覧ください。